平成24年度研究成果報告会概要

平成24年度の研究助成に選定された研究テーマは、東日本大震災の影響で防災に関する研究が6件中3件あり、震災時の交通流の解析、避難しやすさを指標とした地域分類、空間解析の緊急対応に参加者の関心が集まりました。これらの研究成果は、今後の防災分野への貢献が期待されます。他には3次元データを作成することを目的とした手法の研究が2件あり、EV用燃費計算向けの標高データのニーズが高まっている情勢において、非常に参考になる報告になりました。また路面評価システムは、実用化直前でもあり完成度の高いシステムであることの報告でした。聴講者は官・民・学から68名の参加があり、質疑も活発におこなわれ、大学等の研究機関との交流を深めることができました。

 

〔研究代表者及びタイトル〕

  • 熊本大学 内村 圭一 教授
    RGB航空画像とDSMデータを併用して抽出した道路領域からの高精度3次元道路ネットワークの構築
  • 鳥取大学 横田 孝義 教授
    プローブ情報による走行頻度と三次元情報を加味した道路ネットワーク情報生成の研究
  • 芝浦工業大学 岩倉 成志 教授
    東日本大震災時のグリッドロック現象に着目した首都高速の強制流出分散方策の研究
  • 茨城大学 田中 耕市 准教授
    沿岸地域における「津波からの避難しやすさ」を評価するエバキュエイタビリティ指標の確立
  • 東北大学 桑原 雅夫 教授
    道路ネットワークおよびデジタル道路地図を活用した災害時緊急空中撮影の有効性と各種撮影画像ハイブリットによる空間解析の研究
  • 北見工業大学 川村 彰 教授
    デジタル道路地図を活用したユーザエクスベリエンスに基づく路面の安全性・快適性評価と利用者協調型モニタリングシステムの研究開発