解説2 地域メッシュコードの体系

解説2 地域メッシュコードの体系


  • ここでは、地域メッシュとそのコードについて理解できるように解説します。
  • 或る地点を含む地域メッシュのコードは、その地点の経緯度数値から計算できますが、計算規則は、世界測地系でも日本測地系でも変わりありません。
  • 世界測地系による地域メッシュコードと、日本測地系の地域メッシュコードが違ってくるのは、コードの計算の元になるその地点の経緯度数値が世界測地系と日本測地系では違うためです。


2.1 地域メッシュ


  • 〇 地域メッシュは、、地表に想定した一定の間隔の経線群と緯線群で地域を区画するシステムです。区画の大きさの順に、第1次地域区画、第2次地域区画及び第3次地域区画があります。
  • 〇 このほかにも地域メッシュの区画が定められていますが、いずれもこれらの区画を統合または細分した区画で、これら3種類の区画が最も重要です。
  • ・ 第1次地域区画 1° 毎の経線と、40′ 毎の緯線で区切られた区画です。通称「1次メッシュ」ということもあります。(下の全体図の「第1次地域区画」を参照してください。)
  • ・ 第2次地域区画 それぞれの第1次地域区画を、東西方向、南北方向にそれぞれ8等分した区画です。別の言い方をすると、7′30″ 毎の経線と、5′ 毎の緯線で区切られた区画です。通称「2次メッシュ」ということもあります。(下の全体図の「第2次地域区画」を参照してください。)
  • ・ 第3次地域区画 それぞれの第2次地域区画を、東西方向、南北方向にそれぞれ10等分した区画です。別の言い方をすると、45″ 毎の経線と、30″ 毎の緯線で区切られた区画です。「基準地域メッシュ」とも言います。また、通称「3次メッシュ」、「1キロメッシュ」ということもあります。(下の全体図の「第3次地域区画」を参照してください。)


2.2 地域メッシュコード


  • 〇 それぞれの地域メッシュを区別するために、地域メッシュコードという番号が決められています。
  • ・ 第1次地域区画の番号 4桁の数字で、上2桁で南北方向、下2桁で東西方向の順番を表しています。例えば、赤道を0番目として南から北へ数えて53番目、東経100° の経線を0番目として西から東へ数えて28番目の第1次地域区画の番号は、5328 です。
  • ・ 第2次地域区画の番号 2桁の数字で、上1桁で南北方向、下1桁で東西方向の順番を表しています。順番は0から始めますので、例えば、南から数えて5番目、西から数えて8番目の第2次地域区画の番号は、47 です。
  • ・ 第3次地域区画の番号 2桁の数字で、上1桁で南北方向、下1桁で東西方向の順番を表しています。順番は0から始めますので、例えば、南から数えて1番目、西から数えて10番目の第2次地域区画の番号は、09 です。

  • 〇 第2次と第3次の地域区画の番号は、それぞれ第1次と第2次の地域区画の中での局所的なコードですから、例えば、或る第3次地域区画を、別の第1次、第2次地域区画に属すものと区別するためには、所属する第1次、第2次地域区画の番号も明示しなければなりません。
  • 〇 したがって、第2次地域区画のコードは、所属する第1次地域区画の番号を明示して、例えば、前出の例の場合は、5328ー47、あるいは、532847 と表記します。
  • 〇 同様に、第3次地域区画のコードは、所属する第1次及び第2次地域区画の番号を明示して、例えば、前出の例の場合は、5328ー47ー09、あるいは、53284709 と表記します。

  • 〇 以下で、具体的な地点について地域メッシュコードを確認してください。


2.3 地図による地域メッシュコードの確認


    • 〇 下の地図は、日本の領土が含まれる範囲を表示する「全体図」と、指定した地点付近を表示する「拡大図」で構成されています。

  • 〇 全体図(この地図の縮尺では世界測地系と日本測地系の経緯度数値の違いは現れません。)
  • ・ 第1次地域区画、第2次地域区画、そして第3次地域区画を、それぞれ1箇所ずつクリックしてください。
  • ・ 全体図の上下に、該当する3次メッシュ(基準地域メッシュ)のコードが、表示されます。
  • ・ 全体図の右上にある地域メッシュコードの表示ボックスは、コードを入力することもできます。カーソルを表示ボックスに当ててクリックすると、地図との間に入力操作案内行が現れます。
  • 特定の地域メッシュコードを指定したい場合は、地図をクリックするかわりに、こちらでセレクトメニュウを選んでコードを指定してから操作案内行の「 適用 」をクリックしてください。地図の対応する第1次~第3次地域区画にコード数値が表示されます。中止する場合は、「 中止 」をクリックしてください。
  • 操作案内行には、地名から地域メッシュコードを検索する機能も用意されています。例えば、「札幌」と入力してをクリックすると、地域メッシュコードの表示ボックスに対応する数値がセットされます。そこで「 適用 」をクリックすると、地図の 第1次地域区画、第2次地域区画、そして第3次地域区画の指定位置が移動します。
  • ・ 第1次地域区画のセレクトメニュウには、日本の領土を含む第1次地域区画の番号のみが登録されています。
  • ただし、海域のみの区画のうち、全体図でクリックできない区画の番号(第2次・第3次地域区画の説明で覆われた海域)も登録されています。
  • ・ なお、全体図でクリックされた区画の番号も、順次追加登録されます。

  • 〇 拡大図(この地図の縮尺では、世界測地系と日本測地系の経緯度数値の違いが現れます。)
  • ・ 全体図で指定された3次メッシュ(基準地域メッシュ)の位置をより詳しく表示できます。
  • ただし、操作反応を速くするために、全体図で地域メッシュコードを変更しても、そのままでは拡大図の表示は変わらないようにしています。
  • 表示を統一する場合は、全体図と拡大図の間にある操作案内行の、「 全体図に統一 」、「 拡大図(左)に統一 」または「 拡大図(右)に統一 」のいずれかをクリックしてください。
  • ・ 左側が世界測地系に基づく地図で、右側が日本測地系に基づく地図です。
  • ・ 世界測地系のメッシュの区画辺は世界測地系の経度緯度で切れの良い数値になります。
  • しかし、日本測地系の経度緯度では切れの良い数値にはならず端数が付いてしまいます。
  • ・ 逆に、日本測地系のメッシュの区画辺は日本測地系の経度緯度で切れの良い数値になります。
  • しかし、世界測地系の経度緯度では切れの良い数値にはならず端数が付いてしまいます。
  • ・ + は、左側の地図では世界測地系の地域メッシュの中心をを表しています。
  • また、右側の地図では日本測地系のメッシュの中心を表しています。
  • (ただし、全体図から指定した場合または前・次キーで移動した場合のみです。それ以外の、矢印キーやドラッグで移動する場合は地域メッシュの中心を外れます。)
  • ・ 拡大図では、「経緯線図」、「地理院地図」等、異なる種類の地図を選べます。(最初は、左右とも「地理院地図」)
  • ・「経緯線図」の場合は、経線・緯線と経緯度数値の表示のみですので左右の地図に違いが現れません。
  • ・「地理院地図」の場合は、左右で経緯度数値が同じでも、表している地点が異なっていることがわかります。

  • 〇 経緯度数値対比表  拡大図の下に、世界測地系と日本測地系の経緯度数値の違いを成分に分けて整理して表示しています。



全体図(測地系の違いが現れない縮尺) 拡大図

東経 北緯
東経 北緯
東経 125.45 北緯 24.56
(注)図の表示が不完全な場合ここをクリック
東経 125.45 北緯 24.56


  • 〇 表示している地域メッシュは、3次メッシュ(正式には「基準地域メッシュ」、通称「1キロメッシュ」)です。
  • 〇 メッシュの区画線は、第2次地域区画の区画線と一致する場合、線の太さを2倍にして表示しています。
  • 〇 緑色( 背景が写真の場合は、緑色 )の長方形が世界測地系によるメッシュで、 青色( 同、青色 )の長方形が 日本測地系によるメッシュです。
  • 〇 地図の表示範囲が変わると表示されるメッシュも変わりますが、常に十字 + が示す地点を含むメッシュが表示されます。


  • (注1)一様成分とは、両測地系の準拠楕円体の違いに起因する全国一様な傾向で変化する成分です。
  • (注2)地域成分とは、地域の測量方法・地殻変動・高さ等の違いに起因して地域ごとに変化する成分です。
  •    ここでは、国土地理院が公開している技術資料H1- No.2 測地成果 2000 のための座標変換ソフトウェア
  •    TKY2JGD の数値「TKY2JGD.par」(ただし、国土地理院の値が公表されていない一部の離島については
  •    海上保安庁海洋情報部の数値)を丸めた概略のものを用いています。
  •    正確な数値の使用法については、国土地理院及び海上保安庁海洋情報部のサイトで確認してください。
  • (注3)上記の国土地理院のソフトウェア TKY2JGD は、東北地方太平洋沖地震の発生以前に作られました。
  •    東北地方太平洋沖地震などにより地殻変動が観測された地域では、最新の測量成果に移行させるため、
  •    このソフトウェアによる座標変換に加え「PatchJGDによる座標補正」あるいは「PatchJGD標高版による
  •    標高補正」が必要です。詳細は、国土地理院のサイトで確認してください。